子どもが英語を話せるようになるために必要なこと

バイリンガルへの道

今回は、日本の子どもたちが英語を話せるようになるために必要なことをご紹介します。

「英語が話せる」と言っても様々なレベルがありますが、今回は英語を日常生活や仕事でも使えるバイリンガルレベルで英語を話せるようになるためにために必要なことについて話します。

日本で英語をマスターするために必要な3つの要素

母語である「日本語」と第2言語である「英語」を日常生活や仕事で使いこなす人々を「日本語と英語のバイリンガル」と呼びます。

このようなバイリンガルになれた人たちに共通することがあります。

それは、「英語を使用する時間が圧倒的に長い」ということです。

それは同時に、何年も英語を使うことを可能にした「環境」「人間関係」があったということでもあります。

英語圏に滞在していると、多くの人が自然に英語を習得できますが、それはこれらの3つの要素が簡単に手に入るからです。

言い換えると、これらの3つの要素が揃うと、日本に住みながらでも、子供たちがバイリンガルと呼ばれるほどの英語力を習得することができるのです。

英語を使った時間

バイリンガル教育に関する研究によると、英語を使用する時間は英語の習熟度に比例します。

たとえば、プールで100時間泳いだ人と、泳ぎ方についてのYouTubeの動画を100時間見た人とでは、全く異なることは言うまでもありません。

これは当然「実際に泳いだ時間」の差です。これと同じで、英語も「英語を使う時間」が、英語を話せるようになるために最も重要なことです。

では、英語を使わずに英語を勉強する授業や勉強は意味がないのでしょうか?

もし英語を話せるようになりたいのに、そのような授業や勉強しかしていないのであれば、とてつもなく遠回りです。

これはプールへ行かずに、泳げるようになろうとしているようなものだからです。

授業や勉強で身につける知識は大切です。しかし、英語を話すことにおいて、それはあくまで補助であり、土台を作るのは実際に口や耳を使って、英語を使った時間なのです。

では、「バイリンガル」と呼ばれる英語力を習得するためには、どのくらいの時間が必要でしょうか?

少なくとも3,000〜5,000時間必要と言われています。

具体的には、日常会話のような簡単な英語を流暢に話すためには約3,000時間必要だと言われています。

一方、仕事で使用できる難しい英語を流暢に話すためには5,000時間必要だと言われています。

これらの時間は、過去に数万人のバイリンガルを育成したカナダの「イマージョンプログラム」(バイリンガルトレーニングプログラム)で証明されています。

このプログラムは、カナダで最も効果的なバイリンガル教育とされており、5歳から10歳までの5年間、完全に第2言語であるフランス語で実施されます。

子供たちは、家では母国語(英語)を使用し、学校では第2言語(フランス語)を使用しながら生活します。

プリスクールから小学校4年生までの5年間にわたる第二言語での活動に費やされる総時間は約5,000時間です。

この5,000時間というのは、多くの子どもが母語を習得するために必要な時間とほぼ同じです。

また海外移住のため海外の学校へ通い始めた子どもが授業やコミュニケーションに問題がなくなるのも5,000時間を超えたあたりです。

持続可能な英語環境

日本に住んでいる間に英語を使う時間を3,000~5,000時間確保するには努力が必要です。そのため、「持続可能な英語環境」を作ることが重要です。

過去には、片親が英語を母語としているか、子供がインターナショナルスクールに通わないと、日本でバイリンガルになることは不可能と考えられていました。

しかし、今では多くの人がこれを実現できるようになっています。

現代では、幼い頃からYouTube、絵本、CD、ゲームなどを利用して家庭で英語に触れることができます。英語の幼稚園や英語を学べる教室、オンラインスクールなどもあるため、以前より英語環境を作ることが簡単になりました。

毎日数時間英語に触れることができなくても、少しずつ英語を話す環境と時間を維持できれば、高校や大学を卒業する頃には3,000~5,000時間の英語力を身につけ、自由に英語を使えるようになります。

重要なことは、英語を継続して使い続けることです。

そうは言っても、10数年英語環境を維持することは簡単ではありません。

そこで、次の「人間関係」が非常に重要になってきます。

人間関係

親がいくら「英語環境」を作っても、子供が英語に対して意欲を持たず、価値を見出せなければ、英語を身につけることは難しいでしょう。

最悪の場合、幼い頃に何年もかけて築き上げた英語力を失うことになるかもしれません。

そこで「人間関係」が鍵になります。

英語は本来コミュニケーションの道具です。

つまり、誰かと心を通わせることこそ、英語の本来の価値があるのです。

そのために、親ができることは、英語でコミュニケーションが必要な人との出会いを作ってあげることです。

最初は、オンラインスクールなどの辛抱強く耳を傾けてくれる海外の先生がおすすめです。

オンラインで海外の友達を作ることができれば最高です。

英語を通じて、本当に仲のいい人が1人でもできると、英語に対する向き合い方も、習得のスピードも大きく変わります。

一番難しそうですが、実は一番重要なことです。

人間関係ができれば、英語環境ができ。英語環境ができれば、英語習得までの時間が確保できます。

なぜ英語を習得できる人とできない人がいるのか?

数万人の日本人が英語習得に励んでいます。

しかし、多くの日本人は「流暢に話せる」レベルの英語力を習得できていません。

この結果も、これまでの「英語を話す時間」「英語環境」「人間関係」という3点から理解することができます。

では、日本でよくある英語勉強法について見てみましょう。

文法と単語の勉強

英語の授業でおなじみの文法や語彙の勉強は、「英語を話す時間」「英語環境」「人間関係」のどれも満たしていません。

そのため、文法や語彙だけでは英語を話せるようにはなりません

ただ英語を話す時間・環境・人間関係があるのであれば、文法と語彙の知識によって英語習得は加速します。

英会話

英会話レッスンは、英語を継続的に使い、言語を通じて人間関係を築く機会を提供してくれます。

1回のレッスンが短い場合、英語を習得するためにはかなり長期の継続が必要ですが、英会話レッスンは「英語の環境」と人間関係を提供する点で優れています。

たとえば、週に2時間の英会話を10年間継続したとしても、合計時間は960時間に過ぎず、英会話だけで英語が話せるようになることを目指すのは現実的ではないと言えるでしょう。

ラジオ英会話

最近は、ラジオ、YouTube、ポッドキャストなどの英語「リスニング」教材が増えています。ただし、これらの教材のほとんどは日本語が多く使われているため、実際に英語を聞く時間は非常に短いです。そのため、ラジオ英会話だけで英語が話せるようになることを目指すのは現実的ではありません

しかし、これらの方法はスキマ時間に「英語の環境」を作れる点では優れており、英語を使う時間を積み上げるために、他の学習と合わせて使うのはおすすめです。

ただし、これらの教材を音楽のように「聞き流す」状態は、頭が全く英語を理解・吸収していないので、英語習得への効果はゼロなので注意が必要です。

洋画や英語のドラマ

英語の映画やドラマを視聴することは、長時間英語に触れながら楽しむことができるため、英語との接触時間を増やすのに優れています。長期間続けることで、英語力は向上し、英語字幕や字幕なしなど負荷を調整が可能な点も優れています。

欠点は、英語を話す時間があまりないことです。英語力を最大限に引き出すためには、映画やドラマを視聴するだけでなく、英語を話す環境を作ることも重要です。

洋楽

洋楽を聴くことは、映画やドラマを視聴することに似ていますが、大きな違いがあります。好きな音楽に触れることは素晴らしいことですが、英語習得前の人が歌詞を理解しながら聴くことはほとんど不可能です。そのため、英語習得への効果はゼロです。

ただし、英語や海外の文化に興味を持ち、英語習得へのモチベーションを生み出す点では非常に優れています。

洋書

英語の本を読むことは、英語を使う時間として、質においても量においても非常に優れています。自分のペースで理解することができますし、使う英語の幅もとても広いです。

欠点は、人によっては継続するのが難しいことでしょう。

しかし、単語の羅列から頭の中で意味を作り出す「擬似アウトプット」と、それを理解する「インプット」を連続的に行う行為です。

そのため継続さえできれば、英語習得へは大きな効果があります

短期留学

短期留学は、英語に触れ、友達を作ることで「英語環境」や「人間関係」を作るのに最適です。

しかし、英語を使用する時間は意外と短いのが欠点です。

たとえば、語学学校で平日5時間英語の授業があっても、3ヶ月の短期留学で合計は300時間です。

そのため、授業以外でどれだけ英語を使い、人間関係を作ることができるかが、英語を伸ばす鍵になります。

イマージョン教育

イマージョン教育は、言語芸術や数学などの科目を英語で学ぶプログラムで、他の科目を学びながら英語を学ぶことができるようになっています。

イマージョン教育は英語を習得するために必要な3要素「英語を使う時間」「英語環境」「人間関係」を備えている点で非常に優れています。

このような環境で英語が自分の生活の一部と感じられるようになると、多くの人が英語を話せるようになります。

欠点は、人によっては継続するのが難しいことです。

すべて英語の環境は、特に初心者にとっては何も理解できない環境です。そのような環境では、楽しさや安心感を感じるのは簡単ではありません。

そのため、英語が分からなくても、楽しさや安心感を感じることができる工夫をしているイマージョン教育プログラムを選ぶことが重要です。

インターナショナルスクール

インターナショナルスクールも、イマージョン教育と同様に、英語を習得するために必要な3要素「英語を使う時間」「英語環境」「人間関係」を十分備えている点で非常に優れています。

ただし、インターナショナルスクールは、イマージョン教育と違い英語が母国語の子供たちのためのスクールです。そのため、英語が第二言語の子どもたちの入学が難しかったり、ついていくのが大変だったりする場合があります。

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