バイリンガルの定義とは?

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バイリンガルとは

バイリンガルとは、2つの言語を使える人を指します。

またバイリンガリズムとは、2つの言語を使えること、その能力を指します。

しかし、2つの言語が「どれくらい」使えればバイリンガルと呼べるのかということについては議論が分かれるところです。

結論を言えば、明確には決まっていません。

というより、言語スキルを正確に測ったり、共通の指標で測ったりすることが難しいので、バイリンガルの基準を厳密に決めることは不可能です。

ただ、大きく分けて2つの意見があるようです。

① 第二言語を仕事やプライベート全般で使える人がバイリンガルと呼べる

② 第二言語をネイティブ並み(モノリンガル並み)に使える人だけがバイリンガル

世界の大多数の人たちは、ネイティブ並みではないが、常に第二言語を使っているため、②の意見を持っている人が多いようです。

またネイティブ並みではない人を区別してセミリンガルと呼ぶ人もいますが、学術的な研究のために区別する場合以外は、差別的・排他的と感じる人が多いため、あまり使われない印象です。

2つの言語をどちらもネイティブ並みに使えるようになるには、インターナショナルスクールや国際結婚の家庭などかなり特殊な環境が必要なので、②のような人はかなり少数です。

バイリンガルの世界を開く:2つの言語を話すことの意味

バイリンガルの能力は、日本だけでなく世界中で称賛される素晴らしいスキルです。近年ますます多様性に高い価値を置く日本では、バイリンガルについて正しく理解することはとても大切になってくるでしょう。

しかし、厄介なことに、バイリンガルの絶対的な定義や条件はありません。そのため、バイリンガルを理解するためには、概念ではなく、実際の人たちを理解する必要があります。

バイリンガルの人たちについて見ていく前に一旦、バイリンガル以外のカテゴリーについて触れたいと思います。

一つの言語しか話せない場合はモノリンガルと呼ばれ、三つの言語を流暢に話せる場合トリリンガルと呼ばれます。複数の言語が話せる人をまとめてマルチリンガルと呼ぶ場合もあります。

トリリンガルやマルチリンガルの場合、そもそも3つの言語をすべてネイティブ並みに使えることは稀なので、その基準について議論になることはあまりありません。

しかし、バイリンガルの定義に関しては、2つの言語をネイティブ並みに使える人も僅かに存在することから、よく議論になります。

では、ここからはバイリンガルの人たちについて見ていきましょう。

2つの言語の世界

2つの言語を使えることは、2つの楽器を演奏できることと似ています。

ピアノも弾けるし、バイオリンも弾ける、といった感じです。

そして、2つの言語を流暢に話せるバイリンガルとは、楽器で言うとピアノもバイオリンも上級者以上といったレベルです。

また2つの言語をネイティブ並みに使えるとは、楽器で言うとピアノ・バイオリンどちらもプロ並みとったレベルです。

2つの言語をどちらもネイティブ並みに使える人が非常に少ないのも当然と言えるでしょう。

2つの言語が話せると、得られる経験は大きく広がります。

特に1つの言語しか使っていなかった人が、2つの言語を使えるようになると、新しい言語で得られる幅広い経験から新しい視点で物事を見られるようになります。

もちろん、1つの言語しか話せない人でも、インターネットで情報を集めたり、海外旅行に行って様々な経験をすることはできます。

しかし、英語ができると、より多くの情報や経験を得ることができるようになります。

また、日本語や英語のどちらかしか話せない人とバイリンガルでは、感覚が異なります。

まず母国語でも会話の内容が難しいと疲れますが、母国語に比べ第二言語ではその頻度が多いです。

またどうしても一方の言語では普通だけどもう一方の言語では普通ではない言い方や考え方があるので、そのギャップを埋めようとすると疲れます。

しかし、そうやって常に言葉と向き合っているため、言葉の使い方が丁寧であったり上手い人が多いと感じます。

どれくらい話せたらバイリンガルと呼べるか?

これまでも触れた通り、バイリンガルの厳密な定義や基準はありません。

そのため、ある人は2つの言語がネイティブレベルの人だけがバイリンガルだと言い、別の人は生活や仕事で問題なく2つの言語が使えたらバインガルだと言います。

これについて正解・不正解はありませんが、最も多くの人が支持しているのは、2つの言語で生活や仕事ができるレベルであればバイリンガルという基準でしょう。

生活であれば、衣食住の管理、日常の会話、様々な人間関係でのコミュニケーションなどでしょうか。

仕事であれば、基本的な業務全般、組織内外の人たちとのコミュニケーションなどです。

この基準をもっと単純化すると、数時間〜丸一日英語を話しても平気な人がバイリンガルレベルと言えるでしょう。

一見、ネイティブのような姿を想像してしまうかも知れませんが、実はこれでもネイティブレベルではありません。

何時間でも、大抵の話題について英語で話すことができる。これがバイリンガルレベルです。

それに加え、話すスピード・内容の深さ・正確さ・発音などがさらに高いのがネイティブレベルです。

ネイティブが10だとすると、バイリンガルは6〜8といった感じです。

自分や周りの人はバイリンガルなのか?

これまでも触れた通り、バイリンガルの厳密な定義や基準はありません。

そのため、ある人が「自分はバイリンガル」「あの人はバイリンガル」と自由に判断することはできます。

ただ世界の多くの人は「日常的に第二言語を使える人」がバイリンガルだと判断しています。

  • 朝起きて夜寝るまで、ずっと英語で生活できる。
  • 難しい時もあるかも知れないが、英語で仕事を遂行できる
  • ワンパターンなやり取りだけでなく、自由に会話を広げられる

もし、自分や周りの人がこれに近いと感じたら、堂々とバイリンガルと呼べると思います。

中には、英語力は高くはないけれど上記がすべてできる方や、英語力は高いけれど自信がなく上記ができない方もいらっしゃいます。

そのような方をバイリンガルと呼ぶのも、呼ばないのも自由です。

また、バイリンガルというのは現在の状態に過ぎません。

昔はバイリンガルだったけれど、今はもう違う(話せなくなった)という人も多くいます。

厳密な定義や基準はないので、もし自分や周りの人が、バイリンガルかバイリンガルじゃないか迷っている場合は、自分や相手のためになりそうな方を選んでみてください。

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