
バイリンガルへの道
子どもの英語教育やバイリンガル教育についての記事を公開していきます。
- 子どもをバイリンガルに育てる方法まとめ日本で子どもをバイリンガルに育てる方法にどんなものがあるのかまとめてご紹介します。 日本に住みながら、バイリンガルになることは可能? ここでの『バイリンガル』とは、日本語も英語も同じように流暢に話せる人のことです。 バイリンガルになれば、外資系企業で世界の国々の人と一緒に働いたり、海外の大学に進学したりなど、グローバルな世界が広がります。 海外のお友達を作ったり、日本と海外を自由に行き来したりと、”できること”が確実に広がります。また、そういった経験を通して、日本の良さも、外国の良さも知ることができ、見識も深めることができます。 以前はバイリンガルというと、帰国子女や国際結婚をした両親を持っている子ども、インターナショナルスクールに通っている子どもだけが実現できるものというイメージがありました。 しかし現在は、日本人の子どもでも、日本に住みながらバイリンガルになれる選択肢がたくさんあります。 正しく英語を習得すれば、誰でもバイリンガルになれるのです。 もちろん、それでも日本でバイリンガルになるには長い時間が必要です。 英語力というのは、英語環境がなくなると急に落ちてしまうため、仮に幼少期にはじめたとしても高校卒業するまでは英語環境下にいるべきです。またその環境をつくるため、ご両親も一緒に英語に触れる必要があります。 私たちバイリンガル教育の専門家でも、英語力が定着するまでの長い期間、全く気が抜けないのです。 しかし、それでも子どもの将来を考えると、バイリンガル教育にチャレンジする価値は十分にあります。 物心つく頃から、生活の一部として英語に触れて育ち、大人になった時には普通に英語が話せるようになっている。 大人になってから、自分は親から『バイリンガル』という特別なプレゼントをもらったのだと気付く。 それが、バイリンガル教育なのです。 因みに、ご両親ともに英語が話せなくとも子どもをバイリンガルに育てることは可能ですし、逆にご両親が英語を話せるからといって、子どもがバイリンガルに必ずなるとは限りません。 バイリンガル教育の成功のカギは、ご両親や先生がバイリンガルについて正しく理解し、家庭や教育機関を上手く併用して高校卒業する日まで英語に触れ続けることです。 日本でできる子どものバイリンガル教育とは? 子どものバイリンガル教育といっても方法は1つではありません。それぞれの特徴についてまとめていきます。 ただし、どのアプローチも英語を習得するには、十数年という長い期間が必要です。 いくつかを組み合わせ、子どもだけではなく、ご両親にも無理のない方法で進めていくことが大切です。 日本でできるバイリンガル教育まとめ メリット デメリット おうち英語 手軽に、低年齢でも始められるお金がかからない 保護者の負担が大きい英語環境を作るのが難しい 英語スクール 手軽に始められる豊富な選択肢から選べる 子どもの慣れが必要親のサポートが必須 プリスクール 英語環境がある程度整っている保護者の負担が少ない 幼稚園の時しか入れない卒園後は新しい英語環境が必須 イマージョンスクール 英語環境がある程度整っている保護者の負担が少ない 英語の基礎力を要するスクールの絶対数が少ない インターナショナルスクール 英語環境が十分整っている保護者の負担が少ない 授業料が高額高い英語力が必要日本の学校への編入・進学が困難 おうち英語 英語の教材や絵本、YouTube等を組み合わせ、家庭でできる英語学習を中心にバイリンガル教育を進めていくアプローチです。 「おうち英語」の1番のメリットは、手軽に始められ、お金もかからないことです。 また、日本でバイリンガル教育を行う上で、英語に当たり前に触れられる環境を作ることはとても大切です。小さい内から英語の動画を観せたり、絵本に触れさせることができる「おうち英語」は、環境作りの点でも大きなメリットがあります。 一方、デメリットとしては保護者の負担が大きいことが挙げられます。 母語である日本語と第二言語となる英語を選択できる場合は、どうしても楽な日本語を選択してしまいがちです。 子どもが英語のコンテンツでも楽しめるようにするため、子どもと一緒に英語の動画を観たり、英語の本を読み聞かせしたりと、工夫が必要になります。 英語スクール 「英語スクール」は、オンラインスクールや教室など、さまざまな種類があります。 バイリンガル教育において、英語に触れる時間を増やすこと、実際に英語を使用することはとても重要です。 日常的に英語を使用することのない日本では、こういったスクールの英語環境を利用するのは効果的な手段といえるでしょう。 「英語スクール」は、選択肢が多いところがメリットです。 例えば、オンラインスクールの場合は、世界中どのスクールでも受講でき、違う国にいる先生とも会話することができます。 子どもに合ったスクールが見つかれば、先生や友達とのコミュニケーションも図れ、英語に対するモチベーションの向上にもなります。 一方、デメリットとしては少々慣れが必要になる点です。 近くのスクールに通う場合は、そのスクールの環境に慣れる必要がありますし、オンラインスクールの場合も、パソコンでの会話に慣れる必要があります。 その他送迎が必要になる、近くで見守る必要があるなど、保護者のサポートも大切です。 プリスクール 英語の時間がある幼稚園や、幼稚園の先生が外国の方など、「プリスクール」にもいろいろあります。 卒園後に付属のインターナショナルスクールに進学できるインターナショナルスクール幼稚園とは別物で、卒園後は普通に日本の小学校へ進みます。 「プリスクール」のメリットは、英語環境がある程度整っていることです。 ”幼稚園”という環境の中で遊びながら楽しく英語を学べます。 また、周囲の子どもたちも英語を使うので会話の幅が広がり、「もっと英語で話したい」という英語に関する興味・関心も育みやすい環境です。 また幼稚園くらいの年代の子どもは、まだ意識して日本語と英語を使い分けるに至りません。 幼稚園では英語を使う、家庭では日本語を使う、といった環境があることで英語を受け入れやすくします。 家庭で日本語を使用しているため、「プリスクール」に入ったからといって日本語が遅れることはありません。 デメリットは、卒園後に環境の変化を余儀なくされることです。 それまでは毎日幼稚園で英語に触れている生活が、卒園後、英語の全く無い環境になります。 こうなると子どもは急速に英語を忘れていきます。仮に半年間ほとんど英語を使わなければ、英語をほぼ忘れてしまう可能性もあります。 また「プリスクール」の中には、日本の幼稚園よりも自由を重んじる教育方針の幼稚園が多いため、小学校の協調性を重視する環境に慣れるために時間がかかることがあります。 イマージョンスクール イマージョンとは、小学校・中学校・高校などの教科の授業を”第二言語”である英語で受け、教科と第二言語の両方を同時に学ぶ教育のことです。 「イマージョンスクール」のメリットは、英語環境がある程度整っているところです。 一部の科目において、全て英語で授業が行われるので、英語の使用時間が確保できる他、科目を理解するだけの高度な英語に触れることができます。 バイリンガルにとって、義務教育レベルは全て英語で理解できるくらいの英語力を身につけることが重要ですので、「イマージョンスクール」は非常に有効な手段といえます。 デメリットは、英語基礎力が必要である点です。 授業を理解するには、予め、英語の基礎力が必要になります。理解できないままに英語で授業が行われるのは非常にストレスです。 「イマージョンスクール」に入学するのであれば、プリスクールや英語スクールを利用して、ある程度英語基礎力を身につけておくと良いでしょう。 インターナショナルスクール 「インターナショナルスクール」は、日本に在住する外国人が自分たちの母語で教育を受けるための学校です。 また、高校卒業後は、海外の大学へ進学するのが一般的であるため、カリキュラムもそれを見据えたものになっています。 … Read more
- 子どもが英語を話せるようになるために必要なこと今回は、日本の子どもたちが英語を話せるようになるために必要なことをご紹介します。 また、”話せるようになる”というのにもいろいろレベルがあると思いますが、今回は、英語での意思疎通のみならず、日常生活や仕事で英語を活用できるバイリンガルレベルの英語力を身につけるために必要なことについてお話していきます。 日本で英語を話せるようになるために必要な3つの要因 母語である”日本語”と第二言語である”英語”を日常生活や仕事に活かせる人を『バイリンガル』と呼びます。 このバイリンガルと呼ばれる人たちには共通点があります。 それは「英語を使用している時間が圧倒的に長い」ということです。 それと同時に長い時間英語を使い続けられる「持続可能な環境」と「人間関係」があるということも重要です。 英語圏にいると自然に英語を習得していくように見えますが、それはこの3つが簡単に得られるからです。 逆を言うと、この3つの要因を揃えることができれば、子どもが日本で生活しながらバイリンガルと呼べるほどまで英語力を身につけることは可能です。 英語の使用時間 バイリンガル教育の研究によると、英語の使用時間と英語力は比例することが分かっています。 例えば、実際にピアノを3,000時間弾いて練習した人と、テキストやCDでピアノの弾き方を3,000時間勉強した人、どちらが上達するかは言わずもがなです。 つまり、英語を習得するには、英語を使用する時間を長くすることがとても大切です。 しかし、ピアノの勉強が全く不要であるかというと、そうではありません。これは、英語においても同じです。いわゆる”座学”と呼ばれる勉強もバイリンガルには欠かせない要素なのです。 ネイティブ・スピーカーでも同じで、読み書きの勉強ができているからこそ、高い英語力を身につけることができるというわけです。 ただし、英語力の柱となるのは、「実際に英語を使用した時間」であり、「英語の勉強」はあくまでも補助にすぎません。 では具体的に『バイリンガル』と呼べるほどの英語力を身につけるには、どのくらいの時間を要するのでしょうか? これは、3,000~5,000時間といわれています。 日常会話のような簡単な内容の英語を流暢に話すには、3,000時間ほどが必要だといわれています。 一方ビジネスにも活かせるような難しい内容の英語を流暢に話すには、5,000時間もの時間が必要だといわれます。 この時間というのは、過去に何万人ものバイリンガルを育成しているカナダの「イマージョンプログラム」(バイリンガル育成プログラム)でも証明されています。 カナダにてバイリンガル育成に最も効果的だとされるこのプログラムは、5~10歳くらいまでの5年間、全ての授業や活動が第二言語である”英語”で行われます。 子どもたちは家では母語(日本語)を使い、学校では第二言語(英語)を使用するのが当たり前であり、自然に英語を使いながら生活を送ります。 小学校4年生までの5年間、英語を使って勉強したり、活動したりする時間の合計は約5,000時間になります。 一方、英語圏で生活した場合も英語を習得するまでには同様の時間がかかるようです。 英語が全く話せない状態から、アメリカなどに移住して学校に通いはじめると、一般的に授業に着いていくには最低2~3年程度、授業で好成績をとるには、4~5年ほどの長い年月を要します。 この場合もやはり、英語の使用時間の合計は約5,000時間にのぼります。 さらに、赤ちゃんが生まれてから言葉を話し始めるまでに母語に触れる時間もだいたい5,000時間といわれています。 つまり、言語力が一定のレベルに到達するまでに必要な時間は、母語であれ第二言語であれ、5,000時間が一つの目安になるということです。 持続可能な英語環境 日本で暮らしながら、英語の使用時間を3,000~5,000時間にするには工夫が必要です。 そのため「持続可能な英語環境」を作ることが必須といえます。 一昔前は、片親が英語の母語話者であるケースやインターナショナルスクールに進学するケースでもない限り、英語を使用できる環境を維持するのは難しいとされていました。 しかし、今は多くの人がこれを可能にしています。 現代は、幼少期より自宅でもYouTubeや絵本、CD、ゲーム等を使用して英語に触れることができます。また、英語幼稚園もあり、英語を学べる教室、オンラインスクールなども利用できますので、昔よりも英語環境が維持しやすくなりました。 毎日何時間も英語に触れられなくとも、コツコツと英語を話せる環境、時間を維持していけば、高校卒業後でも、大学卒業後でも、3,000~5,000時間に達し、自由に英語を使いこなせるようになる日が訪れます。 大切なのは、子ども自身が英語を使い続けることです。 そこで、子ども自身が英語を使うことに大きな価値を見出すために、次の「人間関係」がとても大切になってきます。 人間関係 例え、親が子どものためにと「英語環境」を作っても、子ども自身にやる気がなく、英語に価値を見出だせなければ、英語の習得は難しくなります。 最悪の場合、今までに積み上げた英語力も全てパーになってしまう可能性すらあります。 そこで大切なのが、「人間関係」です。 先生でも友達でも誰でも良いです。 仲良くなったその相手とは”英語を使わないとコミュニケーションがとれない”という人間関係を作ることです。 はじめは、楽しくコミュニケーションがとれるバイリンガル教育専門の先生などがおすすめです。 子どもに寄り添って”楽しく”英語のレッスンを行ってくれるので、できるだけ多く話す機会を作り、信頼関係を育んでいきましょう。 「この先生が相手なら、自信を持って英語を話せる!」そういう成功体験が、後の成長の土台になります。 なぜ、あの人は英語を習得できたのか?できなかったのか? 英語習得に向けて勉強している日本人は、何万人以上にものぼります。 しかし、多くの日本人が”流暢に話せる”レベルの英語力を身につけることができていません。 なぜ、英語習得が上手くいかないのか、先ほどの3つの要因「英語の使用時間」「持続可能な英語環境」「人間関係」から見ていきましょう。 また、子どもをバイリンガルとして育てたい場合は、この3つの点をどのくらい満たしていくか客観的に考えてみてください。 文法・単語の勉強 英会話 ラジオ英語 英語の映画・ドラマを見る 洋楽を聴く 洋書を読む 短期留学 イマージョン教育スクール インターナショナルスクール 最後までご覧いただきありがとうございました。
- 簡単に説明すると、バイリンガルの定義とは?今回はバイリンガルとはどんな人たちなのか紹介していきます。 バイリンガルとは まず、バイリンガルとは2言語を話せる人たちのこと、というのは日本でもよく知られています。 ちなみに、1言語だとモノリンガル、3言語だとトライリンガル、複数言語の話せる人たちをまとめてマルチリンガルなどと呼んだりもします。 しかし、恐らく皆さんが疑問に思っているのは「英語がどのくらい話せたらバイリンガルなのか」ということではないでしょうか。 実は厳密なバイリンガルの基準はありません。 ただ英語で流暢に会話ができる場合はバイリンガルと呼ばれるケースが多いようです。 英語がネイティブレベルでないとバイリンガルとは呼べない考える人や、英語が会話ができるレベルであればバイリンガルと呼べると考える人がおり、それぞれ主観的な基準で判断しています。 ただ言語において、2言語でネイティブレベルに到達また維持することは現実的にかなり困難なので、日本語も英語もネイティブという基準は、日英バイリンガルにおいて理想の状態であって必要条件ではないと考えるのが自然でしょう。 また一方で、どれだけ英語で読み書きができても、会話ができない場合はバイリンガルとは呼べないと考える人がほとんどです。 例えば、英語は話せないけど英語のセンター試験やTOEICで高得点が取れる人はバイリンガルとは呼ばれないようです。 ネイティブレベルとは 「ネイティブレベル」というのは、ある言語を生まれてからずっと主要な言語として使ってきた人の言語の使い方を指します。 多くの母語話者が使う表現を中心に、そこからある程度の幅に収まるものが「ネイティブレベル」と感じられます。ただネイティブの基準は地域や人によって異なるので、絶対的なネイティブレベルの基準は存在しません。 2つの言語を話すバイリンガルは、どうしても一方がもう一方に影響を与えます。そのため例えば、日本語と英語がネイティブレベルではあっても、英語だけ・日本語だけ話す人(モノリンガル)とは違うと感じる人もいます。 また、インドやフィリピンなどの準英語圏と呼ばれる国では、生まれてからずっと英語を含む複数の言語に囲まれて育ちます。そのようなバイリンガル環境で習得する英語は、アメリカやイギリスなど英語圏で育った人の英語とは異なる英語になります。 現在はそのような英語は「World Englishes(共通語としての英語)」の中でも主要となっており、世界中の多くのバイリンガルがこのレベルに当てはまります。ネイティブと分けて、準ネイティブ(Semi-native / Near-native)と呼ばれることもあります。 日本でバイリンガルに育つケース 日本でバイリンガルになる人とはどんな環境で英語を習得するのでしょう。 よくあるケースをまとめてみました。 <子どもの頃に英語を習得するケース> ① 片方の親が英語ネイティブスピーカー ② 子どもの頃に英語圏で生活し、日本でも英語を使う ③ 小中高とインターナショナルスクールへ通う <大人になってから英語を習得するケース> ④ 英語圏に正規生として大学留学をした ⑤ 国際結婚をして会話は基本英語 ⑥ 独学して日常的に英語を使っている <子どもの頃に英語を習得するケース> ① 片方の親が英語ネイティブスピーカー 片方の親が英語ネイティブスピーカーで、子どもに英語で十分に話しかけている場合、英語習得は自然に起こります。また日本で生活しており、もう一方の親が日本語ネイティブであれば、日本語も自然に習得され、バイリンガルになります。 ただ小学校以降は子どもが通う学校に大きく影響を受けます。日本の学校であれば日本語が優位に、インターナショナルスクールや英語圏の学校であれば英語が優位になります。 そのため、日本語・英語どちらにおいても高度な言語力を身につけるためには、学校で習わない内容は家庭学習で補う必要があります。 ② 子どもの頃に英語圏で生活し、日本でも英語を使う 幼稚園〜高校の間であれば、英語圏で合計3年以上学校生活を送ると流暢に英語を話せるようになる場合が多く、日本に帰っても維持できればバイリンガルになります。 英語習得までにかかる時間は、子どもの心理状態、学校環境、家庭環境など様々な要因が関係しますので、一概に測ることはできませんが、英語を使う時間と英語力は比例関係にあり、英語を使う時間が長ければ長い方が英語力は高い傾向があります。 ただ、どれだけ流暢に英語が話せるようになっても、日本に帰ってきた後に英語を全く使わない期間が数ヶ月〜数年続くと急激に英語が話せなくなります。 日本に帰っても、英語で本を読む・会話する・授業を受けるなど、日常的に英語に触れていれば英語力の維持は可能です。 ③ 小中高とインターナショナルスクールへ通う インターナショナルスクールのように英語に触れる時間が長い環境であれば、日本でも英語習得が可能です。 小中高とインターナショナルスクールまたはそれに近い英語環境であればバイリンガルになります。 ただ英語が全く話せない状態でいきなりインターナショナルスクールの小学部に入学することは難しいので、多くの場合プリスクールなど未就学の時から英語に触れ、ある程度英語を理解して話せるようになってからインターナショナルスクールへ入学します。 インターナショナルスクールでは基本的に学校活動がすべて英語で行われます。ただクラスに英語を第二言語として話す生徒が多くいたり、学校の外に出ると日本語環境であったりなど、英語圏と比べると英語に触れる量は少なくなります。 そのため、(学校やクラス編成に大きく影響を受けるのであくまで目安ですが)流暢に英語が話せるようになるには5年以上の時間が必要です。 また日本語で授業を受けないため高度な日本語が学校生活で自然に身につくことはありません。そのため学校で習わない内容は家庭学習で補う必要があります。 <大人になってから英語を習得するケース> ④ 英語圏に正規生として大学留学をした 語学学校やESLではなく、大学の正規の学生として留学をすると、個人差は大きいですが多くの人が1〜3年ほどで流暢に英語が話せるようになるようです。 子どもと違い、大人になってから英語圏に行く場合の最も大きな違いは、一日中授業があるかどうかです。 小中高の場合は、基本的には一日中クラスメイトと一緒に授業があり、英語を使わない時間など無いといっても過言ではありません。そのような厳しい環境で短期間で英語力を伸ばせます。 一方、大学や大学院では時間や人間関係がより自由になり、良くも悪くもコントロールすることが可能です。そのため、英語が習得できるかどうかは本人の意識次第となります。 ただ大学1年から入学した場合は、学生寮で同期生に囲まれて24時間英語に触れるなど、短期間で英語力を伸ばせる環境はあります。 ⑤ 国際結婚をして会話は基本英語 家庭内のコミュニケーションにいつも英語を使っている場合は英語習得が可能です。 生活環境が英語圏の場合は、常に英語に囲まれる生活になりますので、数年で流暢に英語が話せるようになるようです。 ただ生活環境が日本の場合は、家庭内で常に英語を使っていても、それ以外は日本語を使うことになりますので、英語の習得にはより時間がかかります。 また話す相手がいつも同じため、内容や話し方に偏りが生じます。よく話す話題やトーンでは流暢に話せても、そうでない時には話せなくなるということが起きます。 そのため、家庭内だけでなく様々な人と英語を使う機会を持つことも大切です。 ⑥ 独学して日常的に英語を使っている 独学で英語のトレーニングをするなど、意識して英語を使った場合も英語習得は可能です。 ただ環境や周りの人に頼らずに英語力を伸ばし続けるには膨大な時間と精神力が必要です。 独学の場合、必要な単語や表現を自分で選択し習得するので、自分の英語力を把握しやすく、必要に応じて英語を身につけていくことができます。 その反面、スキルはいびつになり、ある時は流暢でも、別の時には全く英語が話せないということも起こります。 また、会話の相手や英語を使う環境がなければ、簡単な内容でも本当に流暢に話せるレベルにはなかなか到達しないので、ある程度の会話ができるようになったら会話の相手や環境を作ることが大切です。 日本でバイリンガルに育たないケース … Read more
- 簡単に説明すると、バイリンガルの種類とは?今回はバイリンガルにはどんな種類があるのか紹介していきます。 バイリンガルの種類 母語と第二言語(母語より劣る場合が多い)など2つの言語を持つ人をバイリンガルと呼びます。 1つの言語を話す人(モノリンガル)と比べて、2つの言語のバランスやレベルでさまざまなバイリンガルが存在します。 ここでは最も基本的なバイリンガルの種類を紹介していきます。 言語というのは常に変化するものなので、今現時点での種類となります。 今回は分かりやすくするため、母語が日本語、第二言語が英語のバイリンガルを想定して説明していきます。 <日本語と英語のバランスを基準にした種類> 日本語能力と英語力のバランスによって、3つに分類されます。 ① バランスドバイリンガル(Balanced Bilingual) ② ドミナントバイリンガル(Dominant Bilingual) ③ ダブルリミテッドバイリンガル(Doble Limited Bilingual) ① バランスドバイリンガルとは、日本語も英語も同じように能力が高い状態のバイリンガルです。どちらもネイティブと同等、または必要十分に使いこなせる場合、これに該当します。 ② ドミナントバイリンガルとは、日本語か英語の一方がネイティブレベルで、もう一方がそれより劣る状態のバイリンガルです。日本で英語を習得した場合、大抵日本語がネイティブ、英語がやや劣るドミナントバイリンガルになります。逆に、あまりに日本語の接触が少ないと英語がネイティブで、日本語がやや劣るドミナントバイリンガルになります。 例えば、親がアメリカに移住、その後生まれた子どもは、親が日本語ネイティブのため家では日本語を使うが、それ以外はすべて英語という生活を送ります。そのような場合子どもは、英語がネイティブで、日本語は母語だけれども英語より劣るという状態になります。 ③ ダブルリミテッドバイリンガルとは、日本語も英語もネイティブレベルより劣る、または必要十分に使いこなせない状態のバイリンガルです。 母語を習得する0歳〜5歳の時期にネイティブレベルの日本語を習得できなかったり、日本語も英語も十分な接触が得られないような環境で幼少期を過ごしてしまうと、このような状態になる可能性があります。 日本にいる限りは常に日本語に囲まれているので全く心配はないですが、海外で生活する場合には日本語と英語に十分触れる時間があるかどうか注意が必要です。 <英語の4技能のバランスを基準にした種類> 英語力の話す・聞く・読む・書くのバランスで、3つに分類されます。 ① 話す・聞く・読む・書くすべてできる(バイリテラル Biliteral) ② 話す・聞くはできるが、読む・書くはできない(会話型バイリンガル) ③ 聞くはできるが、話す・読む・書くはできない(聴解型バイリンガル) ※ 読む・書くだけできる状態は通常バイリンガルとは呼ばれません ① 話す・聞く・読む・書くすべてできる状態をバイリテラルと呼びます。英語で教育を受けたり自ら学んだりして読み書きを習得、かつ会話する時間も十分にあり話す聞くも習得した状態です。日本の英語教育は読み書きを重視しているので、それと合わせて話す・聞くを習得した場合はバイリテラルになりやすいと言えます。 ② 話す・聞くはできるが、読む書くはできない状態を会話型バイリンガルと呼びます。例えば、すべて英語で活動が行われるプリスクール幼稚園へ通う子どもなどは、十分英語に触れて話す・聞くはできるけれども、本を読んだり文を書いたりは出来ない場合がよくあります。そのような状態は会話型バイリンガルと言えます。 ③ 聞くはできるが、話す・読む・書くはできない状態を聴解型バイリンガルと呼びます。上記のプリスクールの例で、まだ英語は話せないが理解はできている状態はこれに当たります。 また英語圏に移住した日本人の子どもになると、親との会話以外はすべて英語になるので、徐々に英語ネイティブ、日本語が劣る状態になっていきます。日本語を習得したいという本人の強い意思がない場合は、親が日本語で話しかけ、子どもは英語で答えることも起こり得ます。これにより日本語が話せなくなると聴解型バイリンガルと言えます。 <文化への対応力を基準にした種類> 1つ目と2つ目は言語能力を基準にバイリンガルを分類してきました。3つ目は文化という側面からバイリンガルを見ていきます。 文化というと「何かよく分からないけれど重要なもの」という曖昧なイメージがありますが、ここでは「ある場面で期待される行動」を文化と考えます。 例えば、同郷の人と話していると落ち着くということがあるかと思います。これは相手と自分の文化(期待する行動)が同じで、お互いに期待する行動をしているからです。しかし、自分とは全く違う地域の人、違う国の人と話す時には、言語に問題がなくても少し気を遣うのではないでしょうか。これは慣れない相手の文化(相手が期待する行動)に対応しようとしているからです。 母国(日本)と英語圏の国(アメリカ、イギリスなど)の文化(ある場面で期待される行動)への対応力、3つに分類されます。 ① 2つの国それぞれで、周りの人の期待通りに行動できる(バイカルチュラル Bicultural) ② 1つの国で、周りの人の期待通りに行動できる(モノカルチュラル Monocultural) ③ 2つの国どちらでも、周りの人の期待通りに行動できない(デカルチュラル Decultural) ① 2つの国それぞれで、周りの人の期待通りに行動できる状態をバイカルチュラルと呼びます。 例えば、日本人と話す時は日本人として、アメリカ人と話す時はアメリカ人として、自然に振る舞うことができるバイリンガルです。親が日本人とアメリカ人で、かつ日本でもアメリカでも生活し育った経験がある場合にこのようにそれぞれの国や場面で期待される行動に柔軟に対応することが可能です。 ② 1つの国で、周りの人の期待通りに行動できる状態をモノカルチュラルと呼びます。 幼稚園〜中学校まで日本で過ごした場合は、その後英語や英語圏文化に触れても、多くの場合日本のモノカルチュラルとなります。 日本のモノカルチュラルの場合、アメリカにいても自分のことを日本人だと認識し、常に日本と比べてアメリカの人・モノがどうかという見方をします。 ③ 2つの国どちらでも、周りの人の期待通りに行動できない状態をデカルチュラルと呼びます。 自分が生まれた国ですら溶け込めず、自分は何人なのか、自分の居場所はどこなのか悩む場合もあります。 小さい頃から同じ国に長く住む経験がないと、この状態になる可能性があります。 文化というのは簡単に習得したり失ったりするものではありません。そのため、小さい頃は日本で育ち、日本文化を習得したけれど、その後アメリカに強く影響を受け、日本で期待される行動をするのに抵抗が出た場合はデカルチュラルとは呼ばれません。 また文化習得には程度があり、文化(ある場面で期待される行動)を理解することは大人になってからでも可能ですが、それを当たり前のものとして身につけるには小学校低学年までにその文化圏で生活する経験が必要と言われています。 日本人バイリンガルのよくあるケース これまでに紹介した基準を元に、日本人バイリンガルのよくあるケースを見ていきましょう。 ここで言う日本人バイリンガルとは、日本で生まれ母語として日本語を習得し、第二言語として英語を習得した人を指します。 <日本語と英語のバランス基準> 日本人バイリンガルの場合、地理的に日本語圏と英語圏の距離が離れていることから、日本語と英語を同じレベルで維持することは難しく、ほとんどの場合ドミナントバイリンガル(Dominant Bilingual)となります。 中には親が英語ネイティブであったり、インターナショナルスクールに通うなど、日本語環境と英語環境を行き来できる場合はバランスドバイリンガル(Balanced … Read more
- バイリンガルのメリット7選日本語と英語のバイリンガルである私が、バイリンガルのメリットについてご紹介します。 バイリンガルとは? ここでは、日本語を母語、英語を第二言語として2つの言語を日常生活や仕事に活かせる方を”バイリンガル”と呼ばせていただきます。 一口にバイリンガルとはいっても、そのレベルは人によって大きく異なります。 日本語と同じように、英語も母語のように使える人もいれば、英語で話す・聞くはできる一方で読み書きはできないという人もいます。 バイリンガルは「頭が良い」だとか「視野が広くなる」といわれることもありますが、メリット・デメリットは人それぞれで、必ずそうであるとは言い切れません。 私自身、頭が良いからバイリンガルになれたとは思っていませんし、バイリンガルになって頭がよくなったとも感じていません。 たしかに優秀なバイリンガルは多く存在しますが、彼らはバイリンガルであることを活かして努力し、学び、経験を積んできたからこそ、優秀で視野が広いのだと思います。 ただ、2つの言語を活用できるのは、生活のいろいろな場面でメリットを感じるのは確かです。また、今では日本でもバイリンガルになることができるので、メリットを通してバイリンガルというものをより理解してもらえると嬉しいです。 私自身やこれまで出会ってきたバイリンガルの人たちの経験から、メリットをまとめました。 バイリンガルには世界がこんな風に見えているのだというのを、少しでも感じていただけると嬉しいです。 バイリンガルのメリット7選 【1】日本に縛られなくなる 高い英語力をもつバイリンガルであれば、何かを選ぶときに「日本」という枠を取り除いて幅広い選択肢を持つことができます。 例えば、子どもの夏休みの計画・旅行・進学・ボランティア・就職・引越しというような大きな選択から、買い物・調べ物・テレビ・本などの小さな選択肢まで、日本と海外どちらも視野に入れて選択できるようになります。 私の周りのバイリンガルも、世界中いろいろな場所を訪れて最終的に自分に合う土地で暮らして仕事をしているという人が多くいます。 また、多くの経験をしている子どもは、早い段階で自分のやりたいことを見つけ、自分の能力を高めていけるので、子どもにとっては特にメリットが大きいと言えます。 その点で言えば、英語を習得するために留学するというのは実は、とてももったいないのです。 なぜなら、海外に行くことの最も大きな価値は日本では出会えない人々・社会・文化を経験することで、英語を学ぶことはその手段を得ることに過ぎないからです。 ひと昔前は高い英語力を身につけるためには留学して英語学習をするしか方法がありませんでした。 しかし、今では日本で英語を習得し、海外で英語を活用するということが可能です。 小さい頃から子どもの英語力を伸ばしてあげることで、10代20代という経験を重ねるべき時期に、日本に縛られず英語と日本語を活かして色々なことに挑戦できます。 【2】海外の大学への進学に有利 今や海外の大学に入学し卒業することも珍しいことではなくなりました。 多くの人は海外の大学を英語習得のために選んでいますが、実はもっと重要なメリットがあります。 それは、レベルの高い海外の大学は、教育が日本より優れているということです。 The Times Higher Educationの大学の2022年のランキングでは、東京大学(35位)と京都大学(61位)の2校が唯一100位以内で、その他の有名国公立や早慶上智レベルではわずか25校が1000位以内という結果でした。 つまり、海外の大学を視野に入れるということは、選択肢が東大・京大レベルであれば2校から約100校へ、有名大学レベルであれば25校から約1000校へ選択肢が増えるということです。 さらに、高い英語力を持つバイリンガルであればそのような海外の有名大学に合格できる可能性は十分にあります。 理由は、1. 英語力で有利、2. 外国人枠が存在する、3. 中学・高校の成績で判断される、という3つがあります。 ちなみに、出身大学は外資系企業への就職では大きな影響を与えます。 日本語も英語も仕事レベルで使える人がまだまだ少ない日本では、バイリンガルというだけでも貴重な人材ですが、海外の大学を卒業している場合はさらに有利になります。 それぞれの国の文化を理解している点や、企業にとって大学の知名度が高い点などからも、アメリカの大学出身者はアメリカ企業に、ヨーロッパの大学出身者はヨーロッパ企業に就職しやすいと言えるでしょう。 【3】グローバル企業への就職に有利 グローバル企業とは多くの国に支社を持ち、世界的にビジネスを展開する企業です。 このような企業では、高い英語力を持つことの他に、多様性を受け入れるマインドがあることや、現地の文化でビジネスが受け入れられるよう橋渡しができる人材が求められます。 その点において、日本で育ったバイリンガルには大きな価値があると言えます。 私の知り合いにも、外資系企業の日本支社に採用された人が多くいます。 彼らは英語力だけでなく、日本人としての感覚や経験を活かし活躍しています。 日本語の難しさや文化の独特さが相まって、海外の企業が日本市場に進出するには日米バイリンガルが非常に重要です。 近年、日本に進出する外資系企業はますます増えており、バイリンガルの需要はさらに高まっていくでしょう。 ちなみに、外資系企業は同じ業界の日系企業よりも給与が高い場合が多いです。 OECD(経済協力開発機構)の調査では、日本の平均所得は先進国(G7)の中では最下位、トップのアメリカの2分の1ほどまで差が開きつつあります。 さらに、全体の所得平均をも下回っており、日本はすでに世界的に見ても所得が低い国という位置付けです。 それゆえに競争の激しいグローバル企業や外資系企業では、高い英語力は必須スキルの1つに過ぎず、その他にも多くのスキルや知識が求められます。 しかし、英語だけでなく様々な経験やスキルを身につけてきたバイリンガルであれば有利と言えるでしょう。 2021年 先進国(G7)の平均所得 2021年 OECD加盟国の平均所得 出典: OECD Average Wages 2021 【4】ITや医療など英語力が求められる分野で有利 ITや研究の分野など、常に新しい情報を追っていかなければいけない業界ではバイリンガルのように高い英語力はとても有利です。 ITや医療など変化の激しい業界では、世界中の人々が情報を共有し合うのが当たり前です。 製薬の研究部門で仕事をしている友人は、最新研究の英語論文を日々何本も読んでいると言っていましたし、プログラマーとして仕事をしている友人も最新の情報はすべて英語と言っていました。 このような仕事では、ただ英語が理解できるだけでなく、速く正確に理解できるバイリンガルが有利と言えます。 さらに仕事だけでなく、バイリンガルであることは学生の時にも役に立ちます。 ITや医療、さらにはビジネスなど、欧米の大学の方がレベルが高く充実しているということは少なくありません。 これから留学して英語を習得しようという段階では難しいですが、すでに高い英語力をもっているバイリンガルであれば、そのような大学に入学も可能です。 特にIT業界においては、日本では独学だけでもプログラマーになれるが、アメリカでは大学4年間+大学院で専門知識を身につけないとプログラマーとして就職できないと言われるほど要求されるスキルに違いがあります。 そのため、そのようなレベルの高い海外の大学で専門知識を身につけることができれば、その後日本でも世界でも活躍が期待できます。 【5】ITスキルアップに有利 ネット社会の今、お金や場所がなくとも、自宅にいたまま多くのことを学べます。 学校教育はもちろんのこと、専門的なスキルまで、オンラインでスキルアップが可能です。 質の高いオンライン教材やコースも多く、学位や資格を習得することもでき、就職や転職、キャリアアップにも繋がります。 今や英語のネイティブスピーカーを含む多くの英語スピーカーは、オンラインを活用してスキルや知識を身につけています。 特にGoogleやMicrosoftなどのIT企業は、各ポジションに必要な技能を習得できるコースを提供しており、そのコースの修了が採用や人事の評価に繋がるという場合もあります。 日本企業でも自ら学んだスキルや知識を仕事に活かせる人は大きく評価されるでしょう。 海外企業では日本企業に比べ個人の裁量がとても大きく、自分がすでに持っているスキルや知識を活かしやすい環境と言えます。 その点、日本語と英語の両方からより優れた情報を手に入れやすいバイリンガルは有利です。 … Read more